税効果会計処理の適用について
2024年3月08日

税理士法人We willの森下です。

企業会計原則と税法ではその目的の違いから、会計と税務の差異を調整する税効果会計というものがあります。本日はこちらの内容をお伝え致します。

 

企業会計の目的は、経営成績の適切な表示であり、税務のそれは公平な課税にあります。そこで、会計上の儲けをあらわす利益と税務上の儲けをあらわす所得には差異が生まれてきます。

 

実務上で申し上げますと、過去に赤字があり繰越欠損金があった場合において、当期が黒字であった場合に、繰越欠損金を活用することで法人税の支払額を減少させることが

できます。このような場合には、会計上の利益に法人税率をかけた金額と、実際にお支払いされる法人税の金額には差異がでてくることになります。

 

上記の他、会計上の収益・費用に対応する税法の益金・損金というものの、それぞれの認識時点の相違によって、会計上と税務上の利益に差異が生じることになります。

 

より具体的に申しますと、たとえば銀行に対して決算書を提出する際に、会計上では正しいものであるのに、税務上のルールによって課税が前倒しされ、利益が減少してしまうことがあります。そのような場合は、業績が悪化しているようにみえるため、見栄えが悪くなってしまいます。

 

そして、このような場合に税効果会計という処理を行うことで、会計とのズレをなくすことができ、適正な業績を決算書で表すことができるようになります。

上場企業などでない場合は、税効果会計は義務ではないですが、適正な業績を表示するにあたっては、有効なものですので、一度ご検討を頂けますと幸いです。

 

税効果会計についての問い合わせは税理士法人Wewillにご連絡ください。